4Way フィルタの製作

久方ぶりのブログ記事です。

ここしばらくはCM系の電子工作が忙しく、あまりオーディオ機器製作をしていませんでしたが、ある方からの依頼で、4Wayのフィルタ・アンプを作ることになった。
このアンプを使い、4台のアンプとそれぞれが駆動するスピーカーで4Wayシステムを構成するということのようです。

【LTSpiceで回路の検討】

4Wayとなると急峻なフィルタ特性が要求されるので、フィルタ回路は「3次多重帰還型」を使いました。

4way_LPF_HPF_0.jpg
左から、200HzLPF(上)-HPF(下)、800HZ(同左)、3.2kHz(同左)です。

周波数特性結果は省略しますが、3.2kHzのHPFには800HzのHPFを入力すると高周波領域が暴れるので、直接入力としました(原理的にもこの方が素直)。

【基板配置】
4way_LPF_HPF_1.jpg
左下が電源回路です。12VのDCアダプタを電源に用い、OPアンプ使ったレールスプリッタです。
これにLCフィルタを組み合わせています。

左上が3.2kのLPF,HPF基板、右上が200Hz(同左)、右下が800Hz(同左)用です。

端子間を繋いでいるのは、立井のマイク用シールド線です。音が良いと評判です。

【背面】
4way_LPF_HPF_3.jpg
入力1と出力4で、RCAコネクタが10個並びます。右上がオーダーのアース端子です。

【前面】
4way_LPF_HPF_4.jpg
電源スイッチとLEDしかありません。

【実測特性】
4way_LPF_HPF_5.jpg
クロスオーバー周波数は予定通りで、クロス点のゲインは-3~-4dBなのでまずまずでしょう。

それにしても急峻勾配です。しかも4Wayによる各レンジはとても狭いですね。


さてさて、4Wayスピーカーから出てくる音はどうなのでしょうか?




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DAC用トランジスタ式IV変換回路の再考

既に1年前になるが、USB-DAC(PCM2706)のI2S信号処理にTDA1543DACを使ったが、ダイナミックな音を求めて、「トランジスタ式IV変換回路」を作った。(このページこのページです)

DACは最大出力点で動作させることが多いが、この時の歪率特性は最大出力点が持ち上がった特性だった。
2706DAC_Test_20

この特性を改良できないかと考え、LTSpiceで再考することにした。

IV_Amp8_1.jpg

Q3がIV変換するトランジスタ、R6、R7はベースへのバイアス電圧設定抵抗、R5がエミッタ抵抗、R2が負荷抵抗、C3がDCカットコンデンサでoutが出力点です。
TDA1543の電流はG1の電流素子を使い、V2でサイン波の電圧を与えることで、最大2.3mA±2.3mAの電流入力を与えている。

この電流入力を0.1mAから2.3mAまでステップで変更しながら7次までのFFT解析をすることで、THD+Nの歪率をシミュレーションしている。

今回のシミュレーションはR2の負荷抵抗(オリジナル1.5k->1k)変更と電源電圧8V->5Vに変更について行った。

IV_Amp8_2.jpg

・負荷抵抗R2を1.5kから1kに変更することで、最大出力点の歪率が下がる。

・USB-DACの5Vバスパワーをそのまま使った5V電源に変更(R2も560Ωに変更)することで、軽負荷側の歪率が増えるが最大出力点は最小になる。


さて、これをどんな仕様にするべきか、判断に迷いますね。

でも、シミュレーションはシミュレーションでしかないので、作るしかないですね。






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車両電源用ノイズフィルター

1ヶ月ほど前、友人に車両オーディオに使う中間アンプを作った。
想像していたように、「車両からのノイズが大きくて使えない」とのこと。

中間アンプを引き取り、様々なノイズフィルタを入れてみたが効果なし。

WEBを探し回ること数回、見つけたのがこのHPである。
早速作ってみました。
priAMP_6
遠景が中間アンプ、手前の黒いのがノイズフィルタ回路です。

とても素晴らしい効果でした。 オルターネータ(車の発電機)ノイズが主体だったのですが、綺麗に消えました。
出展から借用した回路図です。
priAMP_7

この回路は1A程度流すことを想定しているので3A流せるTrを使っていますが、この中間アンプの使用電流は
10mA程度なので手元にあった2SC3421を使いました。2SC1815でも十分でしょう。
また組み込みサイズの関係で2200uFは1000uFにしてます。

でも、なぜあんなに大きかったノイズが消えたのでしょうか。
平滑コンやノイズ消去コンだけではそれほど効かなかったです。
トランジスタを経由することで何故ノイズが消えたのでしょうか?

はい、勉強します。

------------  2015/02/11 追記 ---------------------
この記事を書いてからすでに4年を経過しているのだが、記事を見た電気回路に明るい知人から
「フィードフォワードという手法で、トランジスタを能動抵抗のように用いたローパス フィルターの一種と思われます。ノイズによるコレクタ電流の変化をベース側に与えて ベース電流を変化させ、コレクタ電流を反対に抑えたり増やしたりしている」 というコメントを頂きました。

然らばと当時はまだできなかったLTSpiceを使ったシミュレーションで電気的動作を見てみましょう。
Car_Noise_0.jpg

左側1/3は元電源です。12VDCのV2電源に±2Vのホワイトノイズ電圧を加えます。実際の車ではどのくらいの変動か判りませんが、(これほど大きくはないと思います)動作解析するために大きく変動させています。
右2/3が評価回路です。コレクタ電流を測るためにI_c抵抗が付いてますが実機にはありません。
I_out抵抗で出力電流を調整してます。約0.6Aです。

入力電圧V(in)と出力V(out)
Car_Noise_m2.jpg

激しく変動している入力電圧がかなり滑らかになっているのがわかります。

出力電圧の周波数特性を見てみます
Car_Noise_2.jpg

200Hz以上はスパッと減衰しています。耳障りなノイズになる1k~4k領域は完全にシャットアウトされてます。
この領域の減衰は約54dBですから、電源ノイズは1/500程度になるということです。

この回路の電気的な関係
Car_Noise_3.jpg

このグラフの説明は省きますが、トランジスタQ1が入力と出力を繋いで電力を渡しています。
入力にプラス電位ノイズが入ると、その電圧を吸収するようにコンデンサC1が電流を吸収しQ1のベース電圧を上げない(出力を阻止)ようにし、C2が電流を吸収することで出力電圧の上昇を防ぎます。逆にマイナス電位に変化すると、逆の動作をします。結果的に出力電圧の変動を緩和し、ノイズ除去になります。

C1,C2の最適容量はこれ以上の細かな解析をしなければ良く判りません。
そこそこの結果が得られているので良しとします。

------------- ここまで追記 --------------------------

(失敗談を2つ)
・狭い基板に実装したので出力をショートさせました。Trが壊れていることに長い間気付きませんでした。
 いやいや、完成後の回路チェックが基本です。

・夜間に車でのテストしました。何度も・・・
 室内灯を付けっ放しにしたことに気付かず、バッテリを上げてしまいました。
 幸いにも停電対策用に買った12Vバッテリーから充電してエンジン始動ができました。 やれやれ。
 (12Vソーラーも買い込みました。自動ON-OFFする充電回路を検討中です) 


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カーステレオ用中間アンプの音

どたばたしていたので、実質 久しぶりの更新である。

priAMP_1
あれっ? またヘッドフォンアンプなの? と見えますが、これは「カーステレオ用中間アンプ」です。
後ろから電源コードが出ています。

会社の友人が通勤の車で、好きな楽曲が入っている携帯電話プレーヤーをカーステレオの外部入力に
接続したが音が小さい。 何とかならんものか? ということであった。
拙作HPAを中間増幅器に使ってもらったら「Good」とのこと。
いくらなんでも車の中で電池アンプを使うのは・・・で、作ったのがこの「カーステレオ用中間アンプ」である。

ここまで見ていただいた方「(こんなモノ)何でブログに載せたの?」という質問が出そうなので先に主題を。
『LME49720ってこんなに良い音がしたの?』なのである

思い起こすと「低電圧ヘッドフォンアンプの製作」にばかり気を取られ、高い電圧で動くオペアンプの音を
知らなかった。
車の12V電源で動くので片電源12Vで6Vのバイアスするアンプとした。

【回路図】
priAMP_4
(この回路は我が愛読書「電気実用講座」(大塚明・著、P170)を参考にしました)

【内部】
priAMP_2 priAMP_3

バイアスがあり、入出力にカップリングコンデンサを挿入するので、音は正直期待しませんでした。
ところが、動作確認のため出力をヘッドフォンにつないで聴くと、いやーー、これが良いのですよ。

思いの外、低音が出ます。中音はとても綺麗(押し出しがいまひとつだが)。高音はもやもやが消えた
すっきりとした音感である。(拙作HPAに比べれば雲泥の差があるが)

うーーん、これが電圧アップの効果か! 知らなかった。LME49720を見直しました。MUSES8820よりも良い。
『電源は低電圧、回路は電圧アップ』 これが良いのかもしれませんね。

ぺるけ式HPAのコンパクト化で使ったDC-DCの拡張利用が良いかな。
次の課題に盛り込めるかなあ・・・・


補足:
この回路、問題も少しあります。ハム音が若干出ます。ボリュームを絞っても出ます。
ACアダプタを止めて12Vバッテリにしたらどうなのかな?
サージ電圧には大丈夫かな? とか、実用はまでは大変かも・・・


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低歪低周波発振器の製作(アンプの歪率を測るのダ)

まもなく、「自作回路の低電圧差動型HPAが完成する」ハズである。

となったら、爆音状態でも歪率は大丈夫かの測定が必要になってくる。

WEBでいろいろ調べてみると、「低歪低周波発振器」+「WaveSpectra」がアマチェアレベルで使えそうな組み合わせであることがわかった。

そして作ったのが、この低歪低周波発振器2台である。

【1台目:黒田徹 著「はじめてのトランジスタ回路設計」に掲載のもの】
NF_3_My
オペアンプ2個とバッファアンプを使った「状態変数型の正弦波発振器」というそうだ。
FET(2SK170)を可変抵抗器に使い、3ループで発振、負帰還、正帰還をかけて低ひずみを実現するものとのこと。
理屈はあまりよく理解していないがとりあえず製作した。

【2台目:NFの抵抗同調発振ICを使ったもの】
NF_2
仕事で関連する某電子機器商社からサンプルで頂いた発振器用専用IC(CG-102R1)を使ったもの。
外付け抵抗2本で70Hz~10KHzをサポートしているので、これは使い易い。
100Hz,1kHz,10kHzで使いたいので、ロータリー切替スイッチ(4回路3接点)で抵抗を切り替える。
出力側に15KHzのオペアンプ式LPFを設けている(右側に黒く見えるのは絶縁テープ)

さて、低歪になっているであろうか、WaveSpectraに出力を入れてみた。
NF997Hz_pc

いや、参ったね。THD+Nの高調波歪が0.2%を超えています。 こりゃダメだ。
計測するPCをいろいろ変えて試してみてもNGだ!

で・・・行き着いた先は、USB接続のサウンドボード購入である。6千円の投資であった。
NF_4_USB_AUDIO
CREATIVE、Sound BLASTER X-Fiである。サラウンド5.1chに対応しているようだが、私としては24Bit/96kHzの入力がポイント(箱の外に詳しく書いてないので店員さんにしっかり調べてもらった)
蛇足であるが、小生作のUSB-NOS-DACよりも音楽の再生音は良くなかったゾ。

そしてこのUSBサウンドボードで再測定です。

【黒田徹さんの回路】
my988

みごとにノイズが消えました!
THD+Nは、0.00436% at 1kHzです。


【NFのIC】
NF997

同上、0.00448% at 1kHz です。

NF105 100Hzは、0.00531%

NF9881 10kHzは、0.00555% となった。

【完成したNF ICを使った低歪低周波発振器】
NF_1

周波数変更抵抗の切り替えとゲインコントロールVOL(10k)が付いている。
電源は15VDC出力のACアダプターを2個使用した。
少し50Hzの電源周波数ノイズが被っているようだが、今はこれまでとしておきます。


それよりも「自作回路のHPA」に没頭しなくては・・・ネ。

2011.1.2追記
【1台目の回路図】1kHzの定数です
LowNoizeWave_sch
尚、±15V電源にはACアダプタを2個使いしました。両極に1000uF電解と0.1uF積セラを入れておきましたが
ノイズは載らないようです。

【ボード図】
LowNoizeWave_brd

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電気オンチが始めた自作オーディオです
2010/3/17 電子工作をプラスしました。

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