低電圧差動式HPA 3 (その4・調整)

3号器がなかなかリリースできない大きな障害が発生していたのです。

それは、「DCオフセットが調整できない」問題だった。

この写真は抵抗を抜き差しして、各部の電圧バランスやアイドル電流などを決めるためのテストボードである。
HPA_V3_Board
左下に電池ボックスが見えるがこれに電池は無く、左上のトランジスタ分圧による仮想GND回路を電源としている。
これに供給する単電源電圧を変えれば電池電圧変化を模擬的に与えられる。

本題のオフセット調整は、基板の後ろ側に見える半固定抵抗で定電流回路の+-のバランスを変化させて行う予定であったが簡単に調整できず、更にそのバランスを大きく変えると歪率が大きく増える(THD+N:0.3%)という問題が出ていた。

やっと判ったその原因は、新採用のDualトランジスタのNPNとPNPでのhFE差であった。
HPA_V3_hFE
この基板は小さなDualトランジスタを左の変換基板上に載せてhFE計測器に繋ぐ冶具である。

これで判ったhFEは、NPN/NPN:約200/約200、PNP/PNP:約300/約300 (3個測ったがほぼ同じ)
確かにDualというだけあってペア特性は抜群であるが、なんせNPNとPNP間が100も異なる値を示すのである。
(2011.7.28追記:その後の調査でPNP側の計測ミスが判明、でもその差はhFE30(10%)でした)

これでは+側と-側の増幅率に大きく差が出るわけだ。
定電流での電流値では簡単に調整ができない範囲であるということのようだ。

・・・・・で、困った上で取った対策が、「差動入力部でオフセット調整」する方法である。
即ち+Vccと-Vee間に半固定抵抗(大きな値)を入れ、その中点を差動入力部に繋ぎ、オフセットを調整するのである。
この回路は単電源のオペアンプ回路などでは「バイアス電圧」という考え方で使われており、今回は通常では使う必要の無い両電源の差動回路に使った ということになろうか。

本来ならばhFEの揃ったTrを使わねばならないのだが、終段Trのコレクタ電流のバランスも取れているのでOKかなと思います。

歪率もまずまずの値 0.029%程度まで下がった。十分に実用性のある値と思う。
(50Hzは蛍光灯から基板へのノイズかなあ。発振器直接の値は0.005%で50Hz成分無し)
HPA_V3_THDN

オフセット調整前後で聴いた音はあまり変わりません。
200mVものオフセットがあれば音質も違ってくるはずなのだが感じませんでした。

絶対的にダイナミックで且つ精細な音色がするのには変わりありません。


・・・しかしですよ、作りつつある基板、どーしよーか・・・  腕の立つ皆さんのお遊び品かなア


テーマ : オーディオ
ジャンル : 趣味・実用

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完成しそうで、
なかなか最後のツメってのは、
手強いですね(^^)
そして予想外のトラブルが
発生しますね(笑)

余ってしまった基板は、無料配布?
うーん、それもまた厳しいですかね(^^;

No title

>わごむいぬ。さん

技術的には完成したと思いますが、残骸の山です(笑)

Tr付きで差し上げてもOKなのですが、送料やら手間などで大変です。
まあ、中途半端なものを貰ってもしょうがないかなとも思いますし。

でも、苦労しただけあってなかなか良い音がします。
今までのものよりも高音の解像度や綺麗さが光っている気がします。

単三電池で且つ省エネしましたので、電池ライフデータを取るべく計測器を作ってます。
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2010/3/17 電子工作をプラスしました。

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