低電圧差動式HPA 3 (その6・SPICEで検証)

『オフセット調整機構を付ければ、NPN-PNP間のhFEが不揃いなTrでも使える』 
これがテストした結果であったが、それだけでは不安が残った。

急遽、SPICEを猛勉強して検証してみました (昨夜は徹夜でした)

使ったのはLT-Spice、こちらからダウンロードしました。

で、作ったSpiceの回路です (注:これは最終ステップでのものです)
HPA_3_SPICE_sch
電池電圧は1.5Vです。入力は振幅幅0.1Vの1kHzサイン波、出力負荷抵抗は75Ωである。

この回路で重要なのはなんといってもトランジスタの特性である。SPICE ど初心者の私に設定できるか?!

しかし、ラッキーでした。私が使っているDual_Trの素材であるBC846B(NPN)、BC856B(PNP)トランジスタが既にトランジスタライブラリ(standard.bjtファイル)に登録されている。
今回調整要素であるhFEはBfというパラメータのようだ (よく判っていないので不安だったが)

一方、終段Trの2SA1428/2SC3668のパワフル出力900mW相当のものは無さそうだ。
例によってNET情報をふらふらすると、親切な情報源が沢山あるではないか!

このページに記載されている情報から、数理設計研究所のSPICE MODEL LIBRARYにあった2SA1015/2SC1815
データを使わせて頂いた(小出力なのでこれで十分だろう)。 皆さんどうもありがとうございます。
HPA3_SPICE_edit
SPICE起動状態でマイコンピュータからstandard.bjtをクリックすると登録されているトランジスタのデータがEditできるようになる。部分修正や新データをコペピした後に上書き保存すれば、現在の解析対象にも修正値が反映される。
(これが判るまで数時間を所用しました)


準備ができたところで、検証の手順は以下の通り

1.hFEが全て揃ったTr(BC846B,BC856Bは hFE 215、2SA1015/2SC1815は hFE 200)
2.BC856B(PNP)を、hFE 315に 100 アップする
3.更に、2SA1015(PNP)を hFE 260、2SC1815(NPN)を hFE 160 にする
4.入力にゼロ・オフセット電位を入力(Vcc,Veeから同じ高抵抗100k、100kで結ぶ)
  高抵抗を使うのは大きな電流を流さないようにするため
5.入力に45mVオフセット入力をする(同上の高抵抗バランスを変える。ここでは97k、103k)

【結果】 入力Vi(水色、V)、出力Vout(青、V)、
     +側終段TrのOut_pnp(緑、V)、-側終段TrのOut_npn(赤、V)を表示

1.hFEが合っていればオフセット電圧も殆ど無く、PNP,NPN側の出力もほぼ同じ。これが 基準 である。
HPA3_SPICE_std

2.差動回路のPNP側hFEが大きいと、マイナス側にオフセットした
HPA3_SPICE_856h
注目すべきは終段Trのコレクタ出力電位で、ほぼ同じ振幅となっている。

3.終段TrのPNP側hFEが大きくなると更に少しマイナス側にオフセットが大きくなる
HPA3_SPICE_856h_2SAh
しかし、2と同様にコレクタ出力の振幅は+側、-側でほぼ同じ

4.入力部にゼロ・オフセット電位を加えるとオフセットが少なくなる方向に移動する
HPA3_SPICE_200kSet

5.約+45mV程度のオフセット電位を加えるとオフセットが解消される
HPA3_SPICE_offset45mV

【結論】
以上、SPICEによる解析結果は先の定数チューニングボードでの実験結果と同じになった。

このような+側、-側各々にNPN、PNPトランジスタで構成された差動増幅回路で、大きな負帰還を有する回路に於いては、NPNとPNP間のトランジスタhFEに大きな差があっても、増幅出力振幅差にはならずオフセット電位となる。しかし、このオフセット電位は入力側にわずかなバイアス(オフセット補正)電位を与えることで調整ができる。

・・・・・・・
本来、このようなシンプル回路に於いては、NPN、PNPのhFEはほぼ同等のものを使うべきであろう。
しかし、先のブログに記載したように、市販品から望のhFE品をチョイスできない私としてはこの結果は万々歳である。

またこの解析ではっきりと判ったことであるが、この回路の電圧増幅率は2倍である。
電流で駆動する回路の特徴が出ていると思う。
最大出力電圧は約1Vp-p、これは歪率計測での限界約0.7Vrmsと合っている。
出力電圧低いね と思われる方には、0.1Vrmsも出せば十分な音が得られるのです と付け加えましょう。

肝心要の歪率も0.03%(計器の計測限界? もっと低いはずのようだが・・・)と許容範囲である。

さて、最終(のはず)の基板が届く週末が期待される。



テーマ : オーディオ
ジャンル : 趣味・実用

コメントの投稿

非公開コメント

いやー(゜▽゜)
なんだか、わくわくしますね。
SPICEは難しいですよね~。
でもトランジスタのデータがあって、
幸いでしたね。


僕も前に挑戦したんですが、
真空管のデータがなくて、断念しましたよ( ̄▽ ̄;)

No title

>わごむいぬ。さん

シミュレーションは面白いです。
あっという間に回路や部品の変更ができて試せます。

今日も会社の仕事ですが、どうにも動きがわるいオペアンプ増幅回路のミスを見つけました。
オペアンプ型番によっては発振するかもしれないことや、その対処も試せました。
生産性が非常に高いツールです。

拙作HPAのSPICE解析は一夜漬けなので変な穴があるのかもしれません。
もう少し多面的に各部位のデータを眺めて見ます。
プロフィール

haiga

Author:haiga
私のブログへようこそ!
電気オンチが始めた自作オーディオです
2010/3/17 電子工作をプラスしました。

自作オーディオの楽しみ共有のため、私が作ったパーツ提供をしてます。質問や要望を遠慮なくコメント欄に書き込んでください。

FC2カウンター
その日1回目にアクセスいただいた方の総カウントです
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード