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ミニDCアンプの製作(FET差動、2N3055終段)

DCアンプの、輪郭が明瞭な音にほれ込んでしまった。

金田さんのバッテリー駆動DCアンプ(No.209)は、初段FET差動増幅と終段2N3055にその音の真価があるのではないかと思い、これを参考に簡易型の回路でACアダプタ駆動のミニアンプを作ってみた。

【回路図】
DC_AMP2_14
注:D1、D3は記号がダイオードですが200Ωサーミスタです

(No209と異なる部分)
・2段目差動増幅Trは汎用2SA1015Y
・ドライバTrは同上2SC1815Y
・抵抗類はオーディオ抵抗REY25F他を使用(スケルトン、リケノーム、MCPは使用せず)
・ドライバTr周りの回路を簡素化
・終段増幅の高効率ダーリントン増幅を一般のダーリントン増幅に変更(発振するらしい)
・電源はACアダプタ15Vをレールスプリッタで分圧
・電源チェック回路や保護回路を削除

(No209と同じ部分)
・初段差動増幅はJFET(2SK117BL)+JFET(2SJ103BL)定電流
・終段増幅のTrは2N3055
即ち、音に影響の大きい初段と終段をNo209と同じにしました。

【ケース外観】
DC_AMP2_5
DCアンプシリーズで使われている、タカチ・OSケースであるが幅16cm、奥行20cmの
OS44-20-16を使用しました。電源スイッチとDCジャックを左、φ3.5入力ジャック、RCAとの切替スイッチを右に配置しました。
DC_AMP2_7  DC_AMP2_6
リア側にRCA入力コネクタと大型スピーカー端子を付けると一杯一杯です。

【基板】
DC_AMP2_1
ステレオの回路が100mm×75mmの汎用基板に一杯に配置可能である。
下段が初段FET差動増幅回路と定電流回路部分です。
中段は2段目差動増幅回路です。真ん中にあるトランジスタ4個はレールスプリッタです。
上段がドライバ段と終段Trに接続するコネクタと負荷抵抗です。

初段、2段目の差動増幅FET、Trは接着剤で熱接合しています。

この回路で注意すべきことは初段差動増幅部分です。
私が最初に製作したNo209そのものでは、まさに「ビギナーズラック」であった。
以下に記載するケアは何も必要無く、すんなりと動作したのですからね・・・
今思うとひやりとします。

ここの定電流回路には2SJ103BLと620Ωの電流制限抵抗を用いるのがオリジナル回路設計であるが、2SJ103BLのIDSSランクによっては電流が流れ過ぎ、「終段に異常に大きなアイドル電流が流れる」のである。気が付かないと即パンクします。
まあ、そのためにオリジナル設計では保護回路が入っているのですが・・・
よってこの回路では電流制限抵抗に5kの半固定抵抗VR5,VR6を入れました。2SJ103BLのIDSSランク規格は-6~-14mAですがオリジナル設計の620Ωでは-7mA程度に合っているようで、一般的に購入してくる2SJ103BLのIDSSは-9~-11mA程度のものが多いのでこの固定抵抗では電流オーバーとなります。

備忘録として調整方法を記載します。
これは片チャンネルずつ順に行います。

・初段差動増幅の電流を1.5k・R26(R16)の電圧差で、また終段Trのアイドル電流を0.22Ω・R24(R14)の電圧差で計測できるようにしておきます。
・半固定抵抗5k・VR5(VR6)を半分よりも大きい側に、また2段目差動増幅回路の半固定抵抗VR3(VR4)を最大にしておき電源を入れます。
・1.5k・R26(R16)の両端電圧やアイドル電流はこのときほとんどゼロのはずです。R26(R16)の電圧を測りながら5kを小さくしていきます。両端電圧を約0.9V程度にします(電流換算で0.6mA程度)
・終段アイドル電流を見ながらVR3(VR4)を徐々に小さくしていきます。あるところから急に電流が流れるので注意が必要ですが、R24(R14)の電圧差が5mV(終段アイドル電流で約25mA程度)になるように調整します。

尚、アイドル電流は25mAも流さなくとも10mA程度でも十分に動作します。安定が悪い場合は少なめにしておくほうが良さそうです。

参考までに基板図です。コンデンサは仮配置です。最終的に部品の上に重ねて配置してます。赤と細い白線がジャンパーです。
DC_AMP2_17

【歪率】
DC_AMP2_16
電源が±7.5Vなので電圧一杯に動作したと仮定しても8Ωスピーカーでの最大出力は3W程度が計算値です。それに対して実機の結果は1%歪未満が2Wでした。
2Wしか出せない原因は2段目差動増幅の出力にあります。ここが電圧的に飽和して限界が出ます。改善の余地はありそうですが、簡易構成が取り得なのでこのままとしました。

0.3%の歪率はまずまずのレベルと思いますが、計測器の特性(ノイズ混入)もあるようです。実力はもっと下のようです。

【周波数特性】
DC_AMP2_15
5Hz~200kHz(-3dB)のフラットな周波数特性です。組立当初にやや発振気味だったので、初段の発振防止に1000pFとやや大きめのコンデンサを入れていたので高域特性が心配でしたが十分な特性です。

【動作波形】いずれも申し分ないレベルです

サイン波1kHz
DC_AMP2_11

矩形波10kHz
DC_AMP2_13


【音質】
初段差動増幅回路と終段トランジスタを金田式バッテリードライブDCアンプ(No209)と同じ構成にした狙いが見事に当たりました。

小出力ながらも以前製作したNo209(もどき)
と同レベルの音感です。全体が押し出してくるような音感と音の輪郭の明瞭さが際立ちます。この輪郭の明瞭感は終段トランジスタ2N3055によるところが多分にあります。
バッテリーに電源を交換して聴いてみましたが、私の使ってる8cmSP(特性は良いですよ)では差が感じられませんでした。


このアンプは終段トランジスタをネジ止めコネクタで接続しているので、いろいろなトランジスタに組み替えて音の比較を行ったのですが、明らかに2N3055が明瞭感と輪郭がはっきりとした音でした。(2N3055はマルツパーツで安価で買えます)

今回使った終段の2N3055は私の会社の古い部品庫で眠っていた「RCA」というラベルの付いたものです。多分相当古いもののようです。
最近売っている2N3055は同じ音が出るのだろうか? 少し心配ですが、先に作ったNo209(もどき)に使った2N3055は最近のSTマイクロ製品で同レベルの音感だったので安心(か?)

尚、比較テストしたまずまずの成績のトランジスタは以下の通りです。
 2SC5198、2SC1444、2SD180、その他色々(お話にならないレベルは割愛)

この中で高音域評価だけならば2SC1444が素晴らしいです。中低域はいまいちですが。


このアンプは訳あって早晩あるユーザー殿へ嫁に行きました。
先方では30cmウーファーを使ったシステムもあり、それにも繋いでみたそうです。
たかが2W出力のミニアンプなのですが、十分な実力を発揮して期待していた音が出たそうです。

良かった、良かった。




テーマ : オーディオ
ジャンル : 趣味・実用

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ミニアンプ製作

はじめまして。古い記事にコメントスミマセン。
金田式興味があり、貴殿の回路を見ました。

回路内のboosterは何なんでしょうか?昇圧機なのでしょうか?
また、回路内の2SC5598は実機では2N3055のことでしょうか?

作れるかどうかは分かりませんが、教えてもらえれば光栄です。

No title

>まささんへ

初めまして、haigaです。

boosterと書かれているとところは1.5Vの電池ですが、無くとも動作します。
オリジナル回路はそのような構成でしたが、最終的にジャンパーしてます。

2SC5598はEagle回路構成上のダミーパーツで、実態はコネクタ経由で2N3055に配線してます。2N3055は秋月にもあります。

初段2SK117や定電流2SJ103はディスコンですが、2SK117は2SK170や2SK246でも動作しますが、これもまたディスコンです。これらはIdssまたはVgsでペア選択が必須です。必要ならばお分けします。

定電流の2SJ103ですが、これもまた入手性が悪いので、PchではなくNchの2SK170等に置き換えができます。もちろん接合回路の変更は必要です。こちらの回路を参照願います。
http://higa284.blog20.fc2.com/blog-entry-280.html

小生のブログには金田式もどき回路が様々に掲載されています。
http://higa284.blog20.fc2.com/?all
これで小生ブログ記事の一覧が出ますので、「金田式」の記述を見てください。

haigaさま。コメントありがとうございます。
また、部品の配布のお申し出、ありがとうございます。
MJのNo209も手にいれたので、回路をもっと研究してから
製作に入りたいので、その時はお言葉に甘えるかもしれません。

ありがとうございました

No title

No.209のバッテリードライブは素晴らしい音を出してくれます。
先に示したように電池によるブースターは不要です。
http://higa284.blog20.fc2.com/blog-entry-144.html

最も要注意なのは、この記事にもあるように定電流回路です。是非、可変抵抗による電流可変回路にされることをお勧めします。金田アンプの泣き所、ウィークポイントです。

更に温度によるアイドル電流高騰の異常発熱を避けるためには、カレントミラー型定電流回路にできればベストです。

様々に金田式アンプ(もどき)を作ってきましたが、この特徴的な音を決定している要素は
1.終段の対称型増幅回路
2.初段FET差動増幅回路と2段目差動増幅の組み合わせ回路

この2つに集約されていると言っても良いのではないかと思っています(私見)
即ち、独特の回路構成によると思います。
よって、使うFETやトランジスタは別の物でも構わない(それしかない)と考えています。


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haiga

Author:haiga
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電気オンチが始めた自作オーディオです
2010/3/17 電子工作をプラスしました。

自作オーディオの楽しみ共有のため、私が作ったパーツ提供をしてます。質問や要望を遠慮なくコメント欄に書き込んでください。

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