ぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプmini版のトライ(その2:歪率の改善検討)

前回ブレッドボード上に作ったぺるけ式FET差動ヘッドホンアンプmini版であるが、
歪率が全くのダメである。10%を優に超えている。私の耳はダメ耳か!

周波数分析した波形を見ると50Hzとその逓倍周波数ががっちりとあるので、数パーセントはこのせい(多分ブレッドボード配線)だろうが、10%はアンプがダメなのが主因と思える。

まあ、そう簡単にできるものとは思っていなかったので、気を取り直して再検討しました。

そのプロセスは後ほど備忘録として記載するが、LTSpiceで詰めた結果は以下の通り

【歪率】 低電圧では、まずまずかな
pe_mini_hnd_last
青いラインが、ぺるけさんのFET差動式ヘッドホンアンプv2の歪率特性です。ぺるけさんのHPグラフから読み取りました。

赤いラインが、電池2本からDC-DCコンバータで昇圧しすると共にmini版サイズにすべく再設計したものの推定歪率カーブです。
オリジナルに比較すると倍くらいのレベルですが、達成できれば合格レベルかな。
(このプロセスも後ほど記載します)

1%歪率が限界出力と仮定すると、オリジナルが1.5V程度の出力に対し、1V程度の出力が取れる見込みです(取らぬ狸の皮算用ですが・・・笑)

【回路図】LTSpiceの画面です
pe_65_asc
・電源電圧は6.5Vです。DC-DCコンバータは少し大型に変更です。

・負電圧を作るダイオードを順方向電圧が小さめの物を用いて負電圧を約-1.5Vから-1.1Vに減少させました。その分をプラス側電圧に使います。

・電源負荷抵抗は電圧がもったいないので外しました。

・初段FET差動回路の定電流値をR3を150→280Ωにより約半分にしました。
 電源電圧が下がったことに対応します。
 負荷抵抗2.2kは同じにしました。R3を元に戻すことで、ぺるけさんオリジナルの回路相当にできることを考えました(ぺるけさんHPの解説にヒントありました)

・ダイヤモンドバッファ初段の抵抗R6、R9を1.5k→1kにより終段のアイドル電流を約10mAから約14mAに上げ、若干の歪率低減を図ってます。

【基盤図】
その1:少し長いケース用
PE_HPA_mini_brd_675
少し大きなケースへ収納した場合の配置です(60×67.5mm)
バランス良く綺麗に収めることができます。
コンデンサとDC-DCが干渉してますが、これはご愛嬌です。直ぐに直せる範囲です。

その2:コンパクトケース用(何とか入るようです)
PE_HPA_mini_brd_475
HPA v4 DC と同じケースに収納する場合の配置です。

サムネイルが竪サイズで決まってるので大きく見えますが、実寸の幅は上と同じで
60×47.5mmサイズの基板です。
音質に影響がある1/4W金皮抵抗を縦にしたり、DC-DCの下にチップ抵抗を入れたりして、かなりぴっちりで配置はごちゃごちゃ感がありますが、20mmサイズ縮小は携帯扱い上、かなり大きなメリットです。

さてどちらが良いでしょうかね。

おっと、その前に試作をして歪率を確かめなければなりません。
ブレッドボードで電流値チェックぐらいはできるのですが、歪率計測は荷が重いです。

試作基板:例によって抵抗定数が変えられるように作ります。
PE_HPA_mini_brd_test

もう少しアース系統に注力すべきなのかもしれませんが、とりあえずです・・・

さて、結果は如何に!

PS:2月14日追記
最近、単三型のリチウムイオン電池が市販されていることを知りました。
3.6Vあるので2個直列に使えば7.2VなのでGoodかな。
容量が900mAh程度なので20時間くらいは持つかな。
DC-DCコンバータを止めてUSB端子から充電できれば更にGoodなのかな。 想いは広がります。

----------------------------------------------------------------------------
以下、ここまでの備忘録です。

未だ電気回路の知識に疎い小生ですが、以下のことを考えました。

1.印加電圧
  ①小さなDC-DCコンバータが出せる5.5V
  ②以前使ったことのある少し大きなDC-DCコンバータ。これなら9V程度OK
    入力2.7V以上とあるので電池2個での最低電圧2.4Vで動作するかのチェックが必要

  【結果】2.4Vでもそこそこ動きそうな実力あり。②も可能

2.初段FET差動回路の定数
  ぺるけさんが2SK170を実測して得たという貴重なデータグラフをベースに、
  ロードラインから定電流値を決める必要がある。

3.ダイヤモンドバッファ初段Trのベース電圧
  基本はプラス側電圧の半分。余裕が無いのできっちり合わせる必要がある。
  これを決めるには、2.の定電流値と負荷抵抗による電圧ドロップで決まる。
  即ち、miniのプラス側電圧が5Vならば、その半分の2.5Vが(定電流値×負荷抵抗)に
  なるように値を決める。

  【ぺるけさんのv2回路を勉強、LTSpiceの回路図です】
  pe_org_asc_ivSet

考えをまとめてみると、選択すべきパラメータが多々ある。
印加電圧は単独にセレクトすれば全体が変わるファクターであるが、2.と3.が絡む
定電流値と負荷抵抗をどのように決めればよいのかが悩みだった。

が、様々に検討した結果、

1)電源電圧はとりあえず、5.4V(小さいDC-DC)と、6.5V(電流を加味したDC-DC)とする。
2)オリジナル電圧9.3Vの約半分の電圧なので、定電流値は半分の約1mAとする。
   即ち、ロードラインを平行シフトする。
3)電圧が決まり、定電流値も決まれば、残るは負荷抵抗も自動的に決まる。
  ここで、電圧も定電流値も半分なのであるので、負荷抵抗はオリジナルと同値で良い。

以上、多岐にわたる仕様の組み合わせと歪率の確認が必要になるが、これをいちいち
作っていたのでは埒が明かない。
よって今回も、LTSpiceに登場いただくことにしました。

 【歪率を様々に計算したグラフ】
 pe_mini_hnd_all
手順
1.ぺるけさんのオリジナル回路で歪率を計算していく。結果は黒線

 出力に相応した入力振幅をLTSpice入力しFFT計算させる。
 入力のV2に、SINE(0 0.04714 1k)とあるのは、サイン波、オフセットゼロ、
 電圧振幅0.04714V(出力振幅0.1Vrmsに相当)、1kHz の意味。

 その下に書かれたのがFFT解析させるコマンド列
 .option plotwinsize=0      ←データ圧縮しない
 .param b=100m c=b/65536  ←解析用のパラメータセット、100mSec、これを65536分割
 .save V(in) V(out)
 .tran 0 {b} 0 {c}         ←過渡解析、0からb時間までcおきに計算して0おきに出力
 .four 1k 7 V(out)      ←FFT解析、1kHzをベース周波数とし、7次まで、V(out)を計算

 この結果は、*.ascファイルと同じ場所に*.logファイルで収録されます。
 出力例(一部分)
 Circuit: * C:\Program Files\LTC\LTspiceIV\pe_65.asc
 Fourier components of V(out)
 DC component:-5.70458e-005

 Harmonic    Frequency     Fourier     Normalized     Phase      Normalized
  Number       [Hz]       Component     Component    [degree]    Phase [deg]
     1       1.000e+03    1.504e-01    1.000e+00       -0.08ー        0.00ー
     2       2.000e+03    3.416e-06    2.271e-05      103.36ー      103.44ー
     3       3.000e+03    1.106e-06    7.348e-06        0.39ー        0.47ー
     4       4.000e+03    1.306e-08    8.678e-08     -176.82ー     -176.74ー
     5       5.000e+03    1.118e-08    7.430e-08      178.21ー      178.29ー
     6       6.000e+03    8.758e-09    5.821e-08      176.30ー      176.38ー
     7       7.000e+03    7.205e-09    4.789e-08      179.66ー      179.74ー
 Total Harmonic Distortion: 0.002387%

 このTotal
Harmonic Distortion:の値を順次プロットする。

2.実測したオリジナル回路のデータを得る(ぺるけさんのHPグラフから読取)

3.上記の考え方で定数を決めた回路で、1.と同じことを計算する。

4.1.と2.の差、即ち、計算と実測の差=これが実物に発生している外来を含むノイズを
  求め、これを3.に加えれば変更後回路の歪率が推定できるだろう。
  前提として、私のアンプの出来が、ぺるけさんのアンプと同等のノイズ特性である、
  という、これまた「取らぬ狸の何とやら流」ですが(笑)

  上記のグラフは、5.4V電圧では歪率1%の出力が0.6~0.8V程度しか無く(茶色線)、
  目標の1Vに達しないので6.5V仕様(赤線)にすることにしました。

 【決定した回路図に電圧、電流値を記載してます】
 pe_65_asc_ivSet

 




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