HPA V6-2 バランス型ヘッドホンアンプの製作

(2014/8/26  Li-ion電池 2Lot目の特性記事を追記)

HPA v6-2 ベースのバランス型ヘッドホン基板ができたので、
早速、リフロー装置で表面実装部品を取り付けました。
HPA_v6_BAL_19.jpg

Li-ionバッテリー保護基板は裏側にあります。

組み立て後、以前作ったったバランス型HPA(右)と並べてみると、そのコンパクトさを改めて見直します。
HPA_v6_BAL_17.jpg

幅はやや小さい(-10mm)ですが、奥行き(-50mm)、高さ(-7mm)と、約2/3サイズになっています。

HPA_v6_BAL_16.jpg
1号機を記念して、カップリングコンデンサにUTSJ 100uF、デカップリングコンデンサに固体コンデンサSEPC 1500uFを張り込んでみました。高さが各々11.5mm程度なのでこのケースに入るぎりぎりです。
ヘッドホンコネクタへの配線はやっと隙間を確保できるボリューム上部を通します。4色なので虹のように綺麗です。

バランス型(BTL)出力回路なので、オフセットを調整する2つの半固定ボリュームは130Ωおおよその位置にあればオフセット調整が不要なアンプなのですが、個々の端子DCを10mV以内に調整しました。

【歪率の計測】

私の歪率計測はUSB接続のサウンド・カードを用い、WAVE SPECTRAで周波数分析とTHD算出を行う簡易機器なのだが、接地型アンプでなければ計測できないデメリットがあります。よって先に製作したオペアンプを使いバランス型入力をアンバランス(接地型)に変換しています。

  HPA_v6_BAL_21.jpg

 HPA_v6_BAL_14-2.jpg
バランス型(BTL)アンプは±の両側で駆動するので、当初予測した歪率カーブは低歪が高出力側に大きく伸びています。
しかし、2Vrms近くで突然急増する特性がありました。

調べてみるとこの急増の原因は計測用変換アンプにあるようです。

  HPA_v6_BAL_20.jpg
この波形の青線は計測用変換アンプの出力(電圧スケールは左)、赤線は本器の出力(同右)です。
計測用アンプは約3Vp-p = 2.1Vrms 程度で出力が頭打ちするようです。しかし本器は6Vp-p程度でも変形していないので、4Vrms近い低歪出力があるかもしれません。
シングルP-P出力の HPA v6-2 では最大出力が約2Vrmsだったので、即ち「BTLアンプの出力2倍特性」が出てます。

【周波数特性】
  HPA_v6_BAL_15.jpg
5Hz~200kHzまで、ほぼフラットな特性と言えるでしょう。2Win差動の特徴がここにも出ています。

【外観】
HPA_v6_BAL_18.jpg

相変わらず真っ黒ケースで色気がありません(笑)
ヒロセ・HR10A-7R-6S(73)がバランス型としての唯一のアピール・アクセントのようです。

このケースに彫刻印字するにはコストが嵩むので、プロ印刷に頼んで白色文字の透明デザインシートを作って貼ってみようかな と思ってます。黒バックに映える色合いを使えばカラーも使えるかもしれません。


【音】
紙面で音色を語っても、この深遠さというか、繊細な分解能と定位による饒舌さは言い尽くせません。
全く、バランス型HPAの音の魔力に取り付かれると大変です。昨夜も連続6時間聴き通しでした。

小生は女性ジャズボーカルを好んで聴くのですが、HPA v6-2の音が女性の顔かたちを表現しているとすると、このHPA v6-2 バランス型は発声する唇の輪郭や震えまで表現してるようなイメージがあります。

【消費電力】
素晴らしい特性の代償は消費電流です。
アイドル電流を少々大目の15mA流してある(流れてしまった)のですが、電池には何とその4倍の60mAが流れています。
BTLアンプなのだから仕方ありませんが、これでは電池の持ちが4時間程度?なのか!
いやいや昨夜は6時間聴いていたのだから6時間?

アイドル電流を半分程度に落とし、例の電池寿命テストをやってみるようです。

----------- 2014/8/17 追記 ------------

【電池ライフ】 計測しました

HPA_v6_BAL_28.jpg

アイドル電流平均値を10mA状態で計測しました。約7時間半の電池ライフです。
普通タイプのHPA v6-2 の電池ライフが16時間でしたので、約半分は終段が2倍に増えて順当な値です。
良い音を楽しむための投資ですね。

通勤で2時間程度聴いたとして4日弱のライフですが、欲を言えば10時間程度の電池ライフにしたいところです。
アイドル電流を2割程度下げれば良いのですが、前出のように調整が難しいです。

-------------- 2014/8/21 追記 ---------------

依頼された完成品を作っていたら、アイドル調整抵抗でアイドル電流を絞っていったら、電流が流れなくなる不具合に遭遇した。慌てて調べていたら、どうも一過性の接触不良だったようだ。

大分慌てて製作頂いている方々にアラート・メールなど送ってしまいご迷惑をかけてしまった。
なので、改めて特性データを取得しました。

計測にはこんな道具(HPA v6-2改造)を使いました。
HPA_v6_BAL_30.jpg

電流制御のFETとアイドル調整抵抗を差し替えることができるようにしました。
FETは0.85,0.94,1.05の3種、アイドル調整抵抗も120,130,150Ωの3種を順に組み合わせ、DCバランスを各々調整しながら差動Tr負荷抵抗の両端電圧(差動回路の電流代用特性)と終段Trのアイドル電流を測定しました。

グラフにはアイドル調整抵抗パラメータのIdssによるアイドル電流変化を示します。結果的には目論見通りでした。

HPA_v6_BAL_29.jpg
が、どたばたの顛末は以下の通りです。

・定電流調整に使っているJ-FET、2SK208-Oの選別品がなくなってきたので測定選別しようとしたが、かねてより使ってきた測定器の調子が悪い。2SK30は計測できるのに2SK208が計測できない。未だ原因不明だ。

・仕方が無いのでテスターで電流を測る方式に切り替えたのだが、どうも今までの計測値よりも低い値を示す(というよりも前に使っていた計測器の値が高い)。Idssが1.00~1.05物を使って130Ωの調整抵抗を使えば、アイドル電流が10~15mA程度だったものが15~20mA以上になってしまう。性能的には問題ないのだが、電池ライフに大きく響く。

・よって今回のバランス型で頒布した基板にはIdss1.00~1.05のFETと150Ω抵抗を組み合わせています。140Ωの抵抗があればもっと細かく設定できるので良いのですが、あいにくこの値は実在しないようです。

・ところが上図の特性を計測せずに、十分な自信を持っていなかったものだから、一過性の接触不良トラブルに遭遇し慌ててしまった ということでした。全く、慌てものの小生らしいと言えばそれまでですが、お恥ずかしい限りです。

【回路定数の変更】
HPA_V6_BAL_31.jpg

FETのIdssと定電流抵抗の組み合わせ表を差し替えました。

---------------- 2014/8/26 追記 ----------------------------

Li-ion電池の在庫が無くなってきたので補充しました。
前回とは違ったルートだったので、電池ライフの確認は必須です。

【電池外観比較】 左がこれまでのロット(1回目電池)、右が新規購入品(2回目電池)
HPA_V_BAL_37.jpg
LOGO部分は新が少しだけ太字です。
いちばん異なるのは、定格電圧で3.7V と 3.6Vです。通常、同じメーカーだったらこんなこと無いだろうに。さあ、どちらが本物なのだろうか?

HPA_V_BAL_38.jpg
WARNING部分の記述が大きく異なります。基本的に同じことを書いているのですがね。

【電池容量の比較計測】
HPA_V_BAL_35.jpg
実機HPAでやっていたのでは時間がかかりすぎるので、30Ω抵抗(120Ωを4個並列)に電流を流して放電電流を計測することにしました。
4.1V電圧で130mAですので、60mAのHPA実機の約2倍流れます。

【計測中のマイコン画面】
HPA_V_BAL_36.jpg
経過秒、No1電池電圧、No2電池電圧、No1電池放電電流、No2電池放電電流 の順に表示してます。

【計測結果】
前回電池と今回電池を2個ずつ放電特性を計測しました。
HPA_V_BAL_34.jpg (電圧の変動は計測器誤動作です)

1回目の電池:
約400mAh容量で2回目電池に比較すると容量が小さいが、2個ともほぼ同容量で安定している。

2回目の電池:
容量が大きいがバラつきが大きい。このHPAでは容量小の電池が先に動作停止すると、それで機能OFFになってしまうので容量大の物があってもメリットが少ない。出ました、バラつきの中華品質。

でも、私としてはこの電池を使用せざるを得ません。
バランス型ヘッドホンでの電池ライフは、上記グラフ横軸時間の約2倍強ですから、7時間以上持つようです。




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No title

ご無沙汰しております。

とうとう、会心の新しいバランス型HPAの完成でしょうか。

頒布を楽しみにしております。

No title

>しげるさん

コメントありがとうございます。

このバランス型アンプ製作を以前より考えていたのですが、Li-ion電池ライフ問題や、難スペースで躊躇しておりました。
小型ながらパワーと音質が素晴らしいのですが、またまた電池ライフで時間を取っています。

目論見ではアイドル電流を、5~10mA程度にしてもパワー感と音質は不変と思っているのですが、何せチップ抵抗セレクトなので、その調整に難があります。

電池ライフを計測中ですので、しばらくお待ちください。
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2010/3/17 電子工作をプラスしました。

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