バランス型DCヘッドホンアンプの製作

入力、出力ともにカップリング・コンデンサを排除したバランス型ヘッドホンアンプの要望があり、種々回路検討を行った結果、以下のLTSpice回路で良さそうだ。

HPA_BAL_kane_6_asc.jpg

初段差動増幅回路はぺるけ式バランス型ヘッドホンアンプとよく似ている。

2段目と終段増幅は、ちょっと見には金田式のようではあるが、ドライバ段や2段目コレクタ抵抗がありません。
この回路、実はこれ「低電圧差動式HPA v4」でのインバーテッド・ダーリントン接続(変形版)なのです。
よってこの回路は私のオリジナルと言っても良いのかな?

v4の時は単三電池2本の低電圧に対応するため、Vbe0.7Vが稼げるこの回路を使ったのでしたが、今回はLTSpiceでの歪率を比較した結果、このシンプル回路の方が性能が良かったのです。

【電源付き実回路】
HPA_BAL_kane_4_sch.jpg
この回路右側は、OPアンプで電位差補正する分圧電源が入っています。12VのACアダプタを使い、フィルターと保護のため10Ω抵抗後の電圧は±5.5V程度です。

差動増幅の2SK170BLはVgsで選別してますが、更に微妙なDC調整ができるように100ΩのVRが入ってます。
カレントミラータイプの定電流回路には終段アイドル電流を調整するため200ΩのVRを入れてます。結果的に150~160Ω程度で終段アイドル電流が15mA近傍になります。

完成後に計測した電圧、電流の実測値が青字で記載してあります。

【基板図】
HPA_BAL_kane_5_brd.jpg

100mm×75mmの基板を使いますが、アンプケースの中に収めるために余分な部分をカットします。

HPA_BAL_kane_1.jpg

左が電源部を搭載した基板、右が電源部が無い基板です。

【正面】
HPA_BAL_kane_7.jpg
XLR5コネクタでバランス型ヘッドホンに出力します。
ボリュームノブは大きなサイズが欲しかったのですが頒布がありませんでした。

【背面】
HPA_BAL_kane_8.jpg
XLR3コネクタがバランス入力、RCAコネクタがアンバランス入力です。
2極2回路SELECTスイッチにはCOLD側が配線され、RCAの場合はCOLDがGNDへも接続されます。

【内部】
HPA_BAL_kane_9.jpg
ぺるけ式バランス型ヘッドホンアンプと同じ、タカチ・HEN110620でサイズがギリギリ入ります。基板の余分をカットしていないと入りません。

バランス入力も必要だったので、4連ボリュームを使ってます。ぺるけさんから頒布頂きました。いつもありがとうございます。
アンバランス入力専用にするならば4連ボリュームは不要になります。

抵抗は利休のROを使っています。最近はかなり高値で売っているそうです。そういえば秋月のROの品揃えも以前ほどではなくなってきてますね。
電源コンデンサはぺるけさんもお勧めの一般品4700uF/16Vです。
バランス型なのでHOT、COLD線はしっかりよじって配線します。

【歪率】
バランス型アンプの計測には、バランスからアンバランスに変換するオペアンプ回路を使うのですが、出力電圧の高いパワーアンプでは失敗続きで心配でしたが、今回はOKでした。

HPA_BAL_kane_2.jpg
アンバランスとある青線データは、拙作の金田式もどきヘッドホンアンプです。今考えてみると、0.1Vrmsから徐々に上がり気味の特性は金田式特有の発振気味だったのかもしれません。

今回のDCヘッドホンアンプは赤線です。
これまで作ったアンプの中で最高性能の歪率で、0.01%THD以下の性能を示しました。

バランス型なのでもっと出力が伸びることを期待しましたが、2Vrms(3.2Vp-p程度)で頭打ちになります。±5.5V程度の電圧なので無理なのかもしれません。
でも2Vrms出力は55mW程度の出力なのでヘッドホンアンプとしては十分でしょう。

【音感】
終段Trに私が愛用している2SC3668を使ったこともあり、バランス型特有の解像度が高く定位が素晴らしい音感に、更に澄み切った音色が響きます。音量を上げて行っても解像度や定位が崩れる気配がありません。

============== 2015/2/7 追記 ======================
このアンプを使って頂いている方からインプレッションがありました。
「何か魔力があるような感じがする。どんどん引き込まれ、あれも、これもと聴いてみたくなります」

はい、実は私も同様な感じを持っていました。作って始めの電源ON後の音は、ハンダ付けの熱的影響が多いディスクリート・アンプでは特に聴けたものではありません。5分10分経過し少し粗が取れかかり、1時間ぐらいでまあまあの音、半日過ぎてやっとまずまずになるのですが、
このアンプはお化けです。電源ONから魔力が出てくるのです。

そんな理由で、自作頂く方のおられるかなの前提で基板図とボード図、ケース穴加工位置図等をアップします。
ボード図はEagleで作った基板の1:1パターンpdf図です。
ボード部品配置図は部品位置、定数値などが表示されたpdfです。

HPA_DC_BAL_wPower_brd.pdf  電源付きボード図
HPA_DC_BAL_wPower_parts.pdf 電源付きボード部品配置図

HPA_DC_BAL_brd.pdf ボード図
HPA_DC_BAL_parts.pdf ボード部品配置図

ご希望があれば手製基板も実費頒布します。FET、トランジスタ(終段を除く)も頒布します。

XLR穴加工手順.pdf 汎用ドリルでケースへXLR穴加工をする手順です
XLR_ana.pdf 穴加工位置の1:1テンプレートです

更にご要望があれば基板メーカー製作をやってみようかな?







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