金田式もどきDCヘッドホンアンプ・リニューアル版(その4:頒布)

リチウム・イオン電池回りをリニューアルしたバージョンの頒布を致します。手待ち部品の関係で現有限定6台ですが、ご要望が多ければ追加も検討します。

【完成品外観】
HPA_kane_DC_New_Bat_23.jpg

HPA_kane_DC_New_Bat_24.jpg

前作とほぼ同じ外観です。充電用 microUSB コネクタが左面前寄りから後寄りになりました。

【内部】
HPA_kane_DC_New_Bat_25.jpg

角型で薄いリチウムイオン電池を2個重ねて使用します。これで約19時間動作します。充電時間は2~3時間程度です。

【基本回路図】
HPA_kane_DC_New_Bat_11.jpg

構成を簡単に説明します。
・J-FET2個(J1,J2)の差動増幅回路が初段です。オリジナルでは2SK246BLが使われていますが、部品ストックの都合で2SK170BLに替えています。
・J4,R17,Q8,Q7,R18,R1 で構成されるのがこの差動増幅回路に電流を供給する定電流回路です。金田式オリジナルでは、ここにJ-FETと抵抗1個だけで構成されていますが、熱安定度等の観点でカレントミラー方式に変えています。
・Q1,Q2,R19,R20が2段目増幅回路です。
・Q3,R10,Q4,R11がドライバー段です。
・Q5,R12,Q6,R13が終段増幅回路です。

この金田式の回路は対称型と言われ、ドライバー段、終段が上下に同じNPNトランジスタを組み合わせた回路構成をしており、即ち特性の揃った同じトランジスタが使えるので、汎用トランジスタの入手が難しく、NPN,PNPの組み合わせが難しい昨今、私が好んで使っている回路構成です。
「金田式」と言うと、金田さんオリジナル部品を組み合わせるのが正道らしく、回路だけが似ているので「金田式もどき」と称しています。

【放電試験データ】
HPA_kane_DC_New_Bat_3.jpg

これは実機と同じ程度の50mAを放電させて試験した結果です。約20時間、900mAhの実容量を持っています。

【充電試験データ】
HPA_kane_DC_New_Bat_12.jpg

充電電流800mAとなっていますが、実際は500mA程度のはずです。1.8時間程度で充電が終わりました。実機では2個のリチウムイオン電池を同時に充電しますので、供給側の電流制限なども加味すれば、2~3時間程度の充電時間になるものと推測します。

【歪率と周波数特性実測値】
HPA_kane_DC_New_Bat_15.jpg

最低歪率は0.029% THD+N at 0.28Vrms(0.4Vp-p)、最大出力 1.6Vrms(2.2Vp-p、71mW at 36Ω)です。

HPA_kane_DC_New_Bat_16.jpg

低域は5Hzで2.5dB程度下がる傾向にあります。高域は問題ありません。100KHzまでフラットです。

【基板】
HPA_kane_DC_New_Bat_17.jpg

この基板には数多くの表面実装部品が使われておりますが、これらは全て当方で実装します。手ハンダで付けられる範囲の部品だけをキットで提供します。

【基板:部品番号】
HPA_kane_DC_New_Bat_27.jpg

【基板:部品定数】
HPA_kane_DC_New_Bat_26.jpg

【出音】
金田式もどきDCヘッドホンアンプをあんなに沢山作って頒布したのに手元に一台も残ってなく、久しぶりに音を聴きました。
なるほど、なるほど、この音色です。バランス型ヘッドホンアンプに迫るものがあります。そして、「妖艶」なのです。

低域の膨らみのある響き、高域の澄んだ中にもふくよかさが残っているような、そんな感じがする音です。

【部品リスト】
部品番号 部品名 型番、値 個数 備考
・表面実装部品付き基板 
  専用基板   1  
・トランジスタ 
Q102,103 中段、終段増幅
NPNデュアルTr
BC846DS 4 基板実装
Q202,203
Q101 2段目差動
PNPデュアルTr
BCM856DS 2
Q201
FET101,102
FET201,202
初段差動FET 2SK170BL(246代替) 4  
FET103,203 定電流FET 2SK208-O(117代替) 2  基板実装
・初段、中段チップ部品    
R103,R104
R203,R204
チップ抵抗 2012 差動負荷 1.5K 4 基板実装
R105,R205 チップ抵抗 2012 300Ω 2
C101,C201 チップコン 2012 1000P 2
R106,R206 チップ抵抗 2012 120Ω 2
R107,R108
R207,R208
チップ抵抗 2012 2段目負荷 1.5K 4
R109,R110
R209,R210
チップ抵抗 2012 中段増幅負荷 150 4
C102,C203 チップコン 2012 位相補償100P 2
・電源コンデンサ 
C1,C2 表面実装コンデンサ 1000u 2  
C4,C5 チップコン 2012 0.1u 2 基板実装
・LEDチップ抵抗    
R001 チップ抵抗 2012 27k 1 基板実装
・充電用パーツ   
IC1,IC2 Li-ion電池過放電防止IC   2 基板実装
IC3,IC4 充電用IC XC6802 2
C6,C10 チップコン 1u 2
R003,R005 チップ抵抗 2012 2k (充電電流500mAセット) 2
LED2,LED3 チップLED 赤、1608 2
・入出力、負帰還 金属皮膜抵抗  
R111,R112
R211,R212
金属皮膜抵抗1/4W 10 4  
R101
R201
金属皮膜抵抗1/4W 22k(利久RO抵抗) 2  
R102
R202
金属皮膜抵抗1/4W 33k(利久RO抵抗) 2  
・機構部品    
ST_JACK1 φ3.5ステレオジャック AJ-1780 2  
ST_JACK2
SW 2系統スイッチ  (ON-OFF-ON) 1  
VOL 2連ボリューム A50k(またはA20k),LINKMAN、RD925G 1  
R102,R202 定電流半固定VOL 500Ω 2  
R101,R201 バランス半固定VOL 100Ω 2  
  ボリュームノブ黒 φ6 1  
LED1 LED 高輝度青色φ3 1  
  収納ケース タカチ,GHA7-2-9DB(黒) 1  
U_USB microUSBジャック ZX62R 1 基板実装

【頒布について】
今のところ、限定6セットで頒布します。

・キット合計:7,850円
・角型リチウムイオン電池2個:2,400円
・オプション電源コンデンサ1500uF,2個:差額400円

※リチウムイオン電池はこちらから購入していますので、皆さんでも好きなサイズ(コスト)が選択できます。
 私が使っているサイズは、51x34x4mmですが、これ以下の寸法ならば使えます。

・自作が不得手だが聴いてみたいという方には完成品を頒布します。
 頒布費用は、本体15,000円+リチウムイオン電池2,400円=17,400円(送料込み)です。

・ご希望の方は、このブログのコメント欄に匿名で記載願います(匿名でなくともOKですが)
 メルアドの記載漏れ、ミスコピーにお気をつけください。
 当方からメールで連絡いたします。

・送付は私の都合で、ヤマト宅配便コンパクトになります。
 セットでの送料は下記URLの金額-35円(持ち込み-100円、箱+65円)になります。
 http://www.kuronekoyamato.co.jp/compact/

・製作マニュアルは本品に対してまだ作っておりません
 オリジナルのこちらと、半田付けが参考になるこちらを参照ください。
・今更ですが、簡単なマニュアルを作成しました。
 http://higa284.cyokopa.com/HPA_kane_DC_NewLiion_MAN.pdf


*ご注意:頒布部品が欠品する場合もあります。既にオーダー頂いている方はお待ちいただくことになります。オーダー前の方は頒布が中止になる場合もあります。よろしくお願いいたします。

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2018/9/25 追記

FETのペア計測に関しての一考・・・FET選別はVgsを推奨します

金田式HPAやバッテリー駆動Ampの初段差動増幅のFETは、2SK117BLが指定だったのですが、早くもディスコンでの市場供給が無くなり、ぺるけ式指定の2SK170BLを使っていました。
この2SK170BLはgmが高いので増幅率が素晴らしく良いので使いやすいFETですが、これも同じくディスコンで、小生の手持ちも150個を切りました。

このJ-FETを初段差動増幅に使うに当たり、ぺるけさんはVgsを±6mV以下に指定し、同じFETではないですが金田さんはIdssを0.1mA以内にして使うように指定しています。
以前よりVgsでもIdssでも選別する基準は良かろうと思っておりましたが、このVgsが12mV以内と、Idssが0.1mA以内の違い(厳しさ)はどうなんだろうという関心がありました。

そこで、残り少ない2SK170BLのIdssとVgsを同時に計測し、その相関を求めてみました。

【計測した2SK170BL、約50個】
HPA_kane_DC_New_Bat_30.jpg

【IdssとVgsの相関】
HPA_kane_DC_New_Bat_31.jpg

2SK170BLのIdss規格値は7~12mVですが、50個のサンプルは6~11mV内にあり良好です。

今回注目の、Idssに対するVgsの係数は-0.0279でした。
これはIdssが1mA変化すると、Vgsは0.0279V=27.9mV 変化するという相関です。

この相関から言うと、金田さんが指定のIdss 0.1mA範囲を相関式に見立てると、Vgs 2.79mV範囲 となるので、ぺるけさん指定の12mV範囲からはかなり厳しい指定となります。

いずれのアンプ回路も差動増幅のFET特性が偏った場合のオフセット調整VOLを備えているので問題は発生しないのですが、金田さんの基準は少し厳しすぎるというか、実用的ではないと思います。(計測回路は簡単ですが)

実は、Idssを計測時の熱的ドリフトで数値が大きく変わって推移することも考える0.1mVはあっという間に変わります。安定するまでには熱的安定時間を考慮すると長時間を要します。よってこの0.1mA以内を計測し、選別を実践するには厳しすぎる値です。

一方、Vgs計測は計測回路の安定を考慮したぺるけ式計測器ではかなり安定して計測が可能です。

尚、このグラフに掲載したIdssの値は、Vgs計測からIdss計測に替えた時の瞬時の数値を使ってます。

よって、頒布する2SK170BLの選別はVgsで行っています。実際は12mV以内ではなく、数mV以内です。






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>uwaさま

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アンプの頒布ありがとうございました。

簡単にレビューさせて頂きます。

■視聴環境
 AK320+AK380AMP→本機→Westone W80

音に関しましては、どこまでも突き抜けそうな高音~今までのポタアンで聞こえなかった深い低音、そして何より音場の広さに感激しました。

今まで殆どオペアンプ式のアンプを使用してきましたが、例えばTHS4631等、巷ではディスクリートに近い音と称されるものまで使用しましたが、如何せん発振があると本領発揮できなく扱いが難しいのでOPA627BPで安泰していました。

OPA627BPも大変素晴らしい音を奏でてくれますが、あと一歩の何かの物足りなさを感じていました。(解像度?高域?音場?)

そこで、ディスクリートの金田式もどきDCヘッドホンアンプを組み立て一聴した瞬間「これだ!」と感じました。
※ここのブログ他の記事にも記載がありますが確かに海外製の数倍するアンプに匹敵(凌駕)する音でした。

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2010/3/17 電子工作をプラスしました。

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