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据置き型バランスDC/アンバランス・ヘッドホンアンプの製作

久々に記事を書きます。1月頃にバランス型DCパワーアンプを作ったのですが、予定と違った仕様になってしまい記事にできませんでした。

今回はそれのリベンジとも言える、バランス型DCヘッドホンアンプの製作です。
私のバランス型アンプを多数使って頂いている方からの依頼品です。

【外観・前】
HPA_kane_BAL_DC_4_17.jpg

左からパワースイッチとLED青、XLR5のバランス型ヘッドホン出力端子2個並列、4連ボリュームのノブです。
使用したアルミケースは、タカチOS49-20-23(高さ49mm、幅230mm、奥行き200mm)です。

【外観・後】
HPA_kane_BAL_DC_4_2.jpg

同じく左から、バランス入力端子XLR3、バランス/アンバランス入力切換スイッチ、アンバランス入力RCA端子、ヒューズ及びDC15入力ジャック、アンバランス出力RCA端子

即ち、入力/出力共にアンバランス/バランスが使えるヘッドホンアンプになります。

【内部の配置】
HPA_kane_BAL_DC_4_4.jpg

手前左がオペアンプで中点電圧ゼロを修正するレールスプリッタ電源基板です。35V/4700μFの電解コンデンサをプラス側、マイナス側、そして±両極を跨いだ部分に入れています。

奥側左右に若干オフセットしてアンプ基板がL,R分並んでいます。

外寸高さが49mmのケースなのですが、内寸高さは37mmしかありませんでした。よって電解コンデンサが寝ています。

【ケースへ端子配置の設計図】
HPA_kane_BAL_DC_4_20.jpg

外寸の割に内寸がかなり狭くなるケースです。高さ49mmの上サイズが70mmと21mmも大きくなるので、プロポーションから考えてこれを選択しました。結果、内部のコンデンサは横置きになりましたが、アンプケースとしてはバランスの取れたプロポーションになっていると思います。


【回路図】
HPA_kane_BAL_DC_4_15.jpg

LTSpiceの回路図です。
この回路の基本は金田さんのインバーテッド・ダーリントン接続のヘッドホンアンプをベースにバランス化したものです。

金田さんの基本回路と大きく異なるのは、初段差動増幅に使っている定電流回路です。
金田式の場合、ここにはJ-FET1個と抵抗1個を組み合わせたもので、FETのIDSSに依存(選別?)します。

HPA_kane_BAL_DC_4_16.jpg

上図回路は定電流用FETに調整抵抗を付け、それをカレントミラー回路で分流しています。
そうすることで、持っている定電流用FETに合わせたカレントミラー抵抗選択でかなり楽に終段のアイドル電流調整が可能になります。上図の例では定電流用2SK30のIDSSが約2mAなので、カレントミラー抵抗を110Ω、100Ωを組み合わせて、R26の500Ω半固定抵抗を180Ωに調整すれば、アイドル電流が10~15mA程度になりました。

【入力のバランス/アンバランスの切換え】
通常はバランス入力で使っていても、アンバランス出力機器からの入力で使いたい時が生じます。
そのためRCA端子からアンバランス入力もできるような切換を付けました。

HPA_kane_BAL_DC_4_18.jpg

XLR3端子のCOLDである3ピンを切換スイッチに配線し、RCAのGND側と切り替えた出力をCOLD側の4連ボリュームに繋ぎます。

完成したヘッドホンアンプを、アンバランス入力、バランス出力で出音の確認をしました。
とても明るい音です。
高橋真梨子さんが若い時のfor youを聴きましたが、鳥肌が立つくらいの雰囲気感です。
JAZZライブの臨場感も素晴らしいと思います。ベースの迫力、ボーカルの粒々が生々しく響きます。
ピアノの弾け具合も逸品です。

・失敗談1

バランス型アンプの歪率計測は私のアンバランス型入出力機器では計測できません。
今回のヘッドホン(ライン)アンプは出力電圧が低いので、入力をアンバランス型発振器出力をバランスに変更するアンプ、アンプからの出力をバランスからアンバランスに変換するアンプを用意してみました。

HPA_kane_BAL_DC_4_19.jpg

オペアンプを使い自作するのも良いのですが時間がかかるので、共立エレショップが販売しているキット基板2種を使ってみました。
アンバランスtoバランス変換はこちらのものでTI社のラインドライバIC「DRV134PA」を使ったものです。
バランスtoアンバランス変換はこちらのもので同様にTI社 INA2134PAを使ったものです。

さて計測を・・・ と始めましたが、歪率がが10~20倍も高い値を示します。色々調べてみると電源(ACアダプタからのDC12Vを分圧して±電源としている)から何かが回り込んでいるような低周波系のノイズがあります。
電源に電池を使ってみるのも一考ですが、今回の計測には間に合いませんでした。

そんな訳で歪率データはLTSpiceでの計算結果です。
.step vin=1(1V入力)
Fourier components of V(out1,out2)
DC component:0.000208369

Harmonic    Frequency     Fourier     Normalized     Phase      Normalized
 Number       [Hz]       Component     Component    [degree]    Phase [deg]
    1       1.000e+03    3.882e+00    1.000e+00      179.94ー        0.00ー
    2       2.000e+03    2.425e-04    6.246e-05      -96.33ー     -276.27ー
    3       3.000e+03    9.837e-04    2.534e-04      178.18ー       -1.76ー
    4       4.000e+03    1.661e-05    4.280e-06      -37.69ー     -217.63ー
    5       5.000e+03    1.004e-04    2.586e-05     -124.17ー     -304.11ー
    6       6.000e+03    3.157e-05    8.132e-06       68.02ー     -111.93ー
    7       7.000e+03    7.451e-05    1.919e-05       -7.74ー     -187.68ー
Total Harmonic Distortion: 0.026314% (歪率THD-Nは0.0263%)

Measurement: result
  step    RMS(v(out1,out2))    FROM    TO
    11    2.7449    0    0.1  (出力は2.74Vrms = 100mW at 75Ω)

・失敗談2
このアンプは当初、ダーリントン接続方式で好成績だった、2段目差動出力の負荷抵抗を廃止する回路でシミュレーションしていました。シミュレーションでは何ともなかったのですが、実機を作ってみるとアイドル電流の再現性が乏しい、過大電流が流れる等のトラブルが出ました。
よって急遽、負荷抵抗を取り付けました。

HPA_kane_BAL_DC_4_13.jpg

薄赤く塗ったところが追加した負荷抵抗620Ωです。これに対応して初段差動増幅の電流も約2倍に増やしてます(と言うよりも、負荷抵抗を外したことで初段差動増幅の電流値が少なくなっていた。作動ラインがかなり寝ていて不安定だった?)

冒頭の回路図は修正後のものです。

・・・色々ありましたが、本器は本日嫁入りです。


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電気オンチが始めた自作オーディオです
2010/3/17 電子工作をプラスしました。

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