FC2ブログ

据置き型バランスDCヘッドホン(ライン)アンプの3回目の製作

本年8月に本タイトルと同じバランス型のDCヘッドホンアンプを作ったのですが、ラインアンプとしても本格的に使用したいというご要望があり、前面にXLR3の出力端子を増設した3作目を作りました。

【前面】
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_1.jpg

XLR3のバランス出力端子がLEFT、RIGHTと2個並んでいるのが今回アンプの変更点です。
隣には従来と同じ、XLR5のヘッドホン出力(XLR3とパラ出力)が並んでいます。

前面のフラットエリアが少なくなって、ロゴシールが張れなくなったので、天板に大きなロゴシールを貼りました。今回使ったシールは透明度が高いのでシール地が目立ちません。

【背面】
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_2.jpg

背面は1作目と変わりません。

左からバランス入力のXLR3端子がL・Rと並び、中央部にはアンバランス入力のRCA端子があり、間にあるSWでCOLD入力をGNDに落とすか落とさないかの切り替えを行うことで、バランスとアンバランスの入力切り替えを行っています。
詳細はこちらの記事を参照願います。

DC15V電源入力端子、ヒューズを挟んだ右側にアンバランス出力のRCA端子があります。後述するようにHOT出力部にDCカットのカップリングコンデンサ入れて出力しています。

【内部配置】
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_3.jpg

この図は前面方向から内部配置を見たものです。

左手前側にオペアンプでDC補正を行うレールスプリッタ電源で、DC15V入力を仮想±7.5Vに分圧しています。コンデンサ(4700uF/25V)が3個あるのは、プラスとマイナス間、プラスとゼロ電位間、ゼロ電位とマイナス間の3か所に入れているからです。

後側に2枚並んでいるのがメイン基板です。後ろから見てL・Rの並びにして配線ミスを防止しています。

白いケーブルは、音質で定評の高い立井マイクロホンケーブルから芯線を取り出したものです。バランスの入力および出力に捩って使っています。

【基板図】
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_9.jpg

赤いジャンパー線は8本程と少ないので、この基板には片面感光基板を使っています。
右側の上下中央に見えるコンデンサが、HOT出力からのカップリングコンデンサで先に記したRCA端子からアンバランス出力を出しています。

【回路図・EAGLE】
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_7.jpg

【回路図・LTSpice】
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_6.jpg

LTSpiceで回路定数を決めたり、最終的な歪率をシミュレートするために使っています。
私の歪率計測機器はバランス出力の計測ができないので、これが頼りになります。
画面に見えるSpice Directiveの左は、一定レベルのSin波を入力させ出力波形を描くもので、主に各部の電圧や電流の状態を見ながら回路定数を決めていくときに使います。
右側の
Spice Directiveは、定数がFixした回路に対して、入力電圧をパラメータにして出力波形の歪率と出力を計算させるものです。

【LTSpiceによる計算結果】
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_8.jpg

1Vp-p入力で2.75Vrmsの出力が出ます。75Ω負荷抵抗で計算させていますので、出力としては、2.75 x 2.75 ÷ 75 = 0.1008 w ですので、約100mWの出力で、その時の歪率は0.018%THDということになります。
ヘッドホーンで100mW出力はまずありえない轟音ですので、通常使うと思える最大出力の16mWでの歪率は、0.0017%THDと一桁少ない歪率でした。

回路の説明や基板製作の注意点などは、2作目であるこちらの記事に書きましたので、本3作目になるこの記事ではケースの加工手順に少し詳しく記載しようと思います(2作目でも少しは記載してますが、写真がありませんでした)

【基本的な加工ツール】
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_18.jpg

2作目にも載せたツールですが、右が1mmドリルのハンドツール。穴あけ位置をマーキングしたり、1mm程度の薄いアルミ板位なら手で穴を開ける際に使います。

右から2つ目がφ4.5、6、8、10、12のステップドリルです。今回の場合はスイッチの取付穴(約6mm)、ボリューム取付穴(約8mm)、RCA端子(約10mm)、DCジャック&ヒューズホルダ(約12mm)はこれを使います。

同3つ目がホールドリルです。私が持っているのはφ18、19、20、21、22の5種です。XLR端子などの大きな穴開けに使います。

この他にφ1.5~6.5mmまで0.5mmピッチのドリルセット、加工用の電動ハンドドリルです。

【ケーズ穴加工手順】
1.CAD図を使って加工位置をマーキング
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_10.jpg

JW CADで1:1の端子配置図を作って印刷します。タカチ製ケースを使っていますので、ケースのDXFデータをダウンロードし、その上に端子図を配置します。上の図はケース背面の印刷を貼り付けて加工しているもので、加工位置をφ1mmのハンドドリルでマーキング後に、電動ドリルでφ1mmの下穴加工をしているところです。
手間はかかりますが、こうしておけばφ1mm穴が次の加工の案内になるので、加工位置ズレを起こすことが殆どありません。

またCADを使って部品配置を行うもう一つの目的は、部品相互の干渉をチェックすることにあります。

HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_19.jpg

2.下穴加工が終わりました
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_11.jpg

φ1mm穴加工後に、その位置にφ2mmドリルで下穴サイズを大きくしています。φ1mm穴加工は1か所に30秒ほど掛かりますが、φ2mm加工は下穴があるので数秒で終わります。

3.φ2mmの下穴加工が終わったところです
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_12.jpg

この段階になればCADの下図は不要です。外すと青い保護シールが現れます。

4.XLR端子などの3mmビス止め穴をφ3.2mmドリルで加工します
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_13.jpg

LED穴だけはφ3mmドリルで加工します。
この後は大きな穴サイズになるので、青い保護シールは剥がします(シールと部材の隙間に切り粉が入る)。表面に傷を付けないように慎重な加工が必要です。

5.大きな穴の加工
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_14.jpg

XLR端子などの大きな穴はホールドリルで加工します。

HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_15.jpg

中心にセンター穴加工ドリル、ガイドドリルが付いており、2mm幅程度のカッターが付いています。

HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_16.jpg

こんな感じで加工されていきます。ハンド式電動ドリルでも十分に加工できます。トルクの高いドライバー兼用電動ドリルがお勧めです。

6.加工が完了しました
HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_17.jpg

穴あけ後のバリ取りや少々のサイズアップには加工ツールで示した左端の工具を使います。これはHOZAN製のK-35というバリ取りツールなのですが、切れ味が素晴らしいのと、斜め部分でコーナーのバリ取り、先端のストレート部分で穴のサイズアップ加工ができます。
XLRコネクタ加工のホールドリルがφ22で、XLRコネクタがφ23だったのですが、このツールでサイズアップ加工ができました。また今回使ったXLR3コネクタは周囲に凸がある形状だったので、ヤスリを使って部分的な加工をしています。

以上の手順で加工すれば、3mm肉厚のアルミ板でも綺麗に加工ができます。

使用したアルミケースは、タカチOD49-20-23(高さ49mm、幅230mm、奥行き200mm)です。
このケースの使い方は幅方向と奥行き方向が私とは逆に使うような想定で、1.5mm厚さの板部分に部品を取り付けるようなのだが、フラット面が前後にある方が見栄えが良いので、あえて板厚が厚い部分にコネクタ加工をしています。


以上、今回3作目のバランス型DCヘッドホン&ライン・アンプでしたが、ケースの加工手順を少し詳しく記載しました。

それにしてもバランス型ヘッドホンアンプの音は、分解能・定置・彫りの深さなど素晴らしいものがあるのは確かです。

「紺屋の白袴」という例えがあります。私の場合、こんなスケールのバランス型ヘッドホンアンプは使えないのですが、バランス型の音の素晴らしさには敵わず、下図の自作アンプを愛用しています。

HPA_kane_BAL_DC_HeadLINE_20.jpg

私の工作台に置かれたバランス型ヘッドホンアンプです。NJU7043Dというオペアンプで作ったバランス型ヘッドホンアンプです。単三電池2本で100時間以上動作すると思われます。久しく電池交換してませんがずっと動いています。
深夜にYoutubeを見るときでも使ってます。

作例は、こちらこちら、そしてこちらです。頒布した時の記事にまとめがあります。

バランス型アンプにどっぷりと浸かっていますね。




コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

haiga

Author:haiga
私のブログへようこそ!
電気オンチが始めた自作オーディオです
2010/3/17 電子工作をプラスしました。

自作オーディオの楽しみ共有のため、私が作ったパーツ提供をしてます。質問や要望を遠慮なくコメント欄に書き込んでください。

FC2カウンター
その日1回目にアクセスいただいた方の総カウントです
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード