自力で作るディスクリートHPA(ツール編)

自力でディスクリートHPAを作るための肝心なところは、J-FETとトランジスタの特性選別の計測ツールである、と判断した。

遡ってこのニーズを整理すると以下のような思考であった

・自力でこの差動式アンプを作るためにはFETとトランジスタの特性を合わせたペアが必要
・ぺるけさんの部品領布に頼らずにペアを得たい = 自力で
・一般的に市販されている部品には無さそう (「ペア」と言われているものも精度が悪そう)
・YAHOOなどでも個人オークションで「ペア」を売っているが精度が不明
 ・・・これでは「自力」とは言えない(笑)
・それでは自分で選別しよう。 計測器を作って市販品から選別しよう (話がくどいね ^-^; )

1.J-FET選別ツール

 ぺるけさんの「My Toy Box」の中に懇切丁寧に作り方が記載されている。
 よって内容に関してはそちらを参照してください。
 ほとんどコピーのような形で作ったツールがこれである。
 FET_Tool2 FET_Tool1
 オリジナルと異なるのは電流制御トランジスタに2SC18115GRを使っている(代替可とある)のと
 ダイオード1S1586に替えて1N4148を使っている。

 右2つのスイッチを組み合わせることで、FETで重要な特性であるIdss(ドレイン電流の最大値)や
 Vgs(ゲート・ソース間電圧)が容易に計測できる。
 FET差動式HPAにおいてはVgsを主体に使用するFETの選別をしているので、Id(ドレイン電流)を
 合わせておいて、FETを次々に取り替えていけば簡単に計測ができる。

 ここで気になったのが代替した部品2つはトランジスタのベース~エミッタ間電圧の温度補償をして
 いるとのことなので、2SC1815と1N4148の温度特性をWebで調べてみた。
 結果、各々は-1.2mV/℃程度と同等の温度特性なので安心した。
 一度セットしたIdの動きを見ていてもあまり動かないので安定した計測ができているものと思う。
 「ペア」を求めるのが目的なので、あまり細かな絶対値にはこだわらないが、計測のばらつきは
 支障となるので・・・ (それよりも、私のデータ読み取りミスが怖い。老眼には困ったものだ・・)

 *今回作ったのはNチャンネル用だが、Pチャンネル用も今後必要かな?
  共用ツールを考えるようかなア・・・


2.トランジスタhFE(電流増幅率)計測ツール

 このHPAではトランジスタhFEの選別はFETほど厳しくないようだが(20~25%以内)、同じBLやGR
 ランクにおいてもかなり規格幅が広いので、しっかりチェックしておきたいのが自作派のこだわり。

 例によってNetを徘徊してみるとかなりの諸先輩方がツール作りをしている。
 基本的な原理・原則がわかったので、ブレッドボードに部品を配置して計測をしてみようと思った。
 ここで問題発生。ベース電流とコレクタ電流の両者を同時計測するには、「電流を測れるテスタが
 2個必要」なのに、私には1個しかない!!

 泣く泣くブレッドボードのジャンパーを付け直しながらテスターを付け替え、μAとmAのレンジを切り
 替えて測定してみた。
 これは手間隙が大変だヨ---! テスター2個も置ける場所無いし・・・(PCデスク上が私の作業場)

 また、つらつらNetを徘徊していると「PICを使ったトランジスターhfeメーター」や、「■hFEの測定」 に
 出合った。これならばテスターが要らないや (2個目を買う必要がないという安直な発想)

 で・・・、やっとのことで作ったのがこのブレッドボードの姿である。
 hFE_Tool6
 これは2SC1815-Yランクを計測しているところである。Ic、IbはμA単位です。

 PICと言うのは「Peripheral Interface Controller:周辺機器接続制御用IC」、簡単に表現すると
 私の理解では「入出力制御機能を持ったマイコン」かな。
 昔、Z80というマイコンに触ったことがありましたが、アナログ計測ができないことが私にとっては
 最大のマイナス点でしたが、何と!このPICには10ビットA/Dがあるのですよ。

 今回の回路は下図になります。
 hFE_Tool1
 計測精度(分解能)からいえばIcを計測する抵抗102.4Ωはコレクタ電流の大きさに合わせて切り
 替える方式が良いのですが、当面はこの仕様です。

 10ビット=1024分解能⇒5Vレンジで≒5mV分解能になります。
 今回hFE計測するターゲットTrは2SA1015/2SC1815、2SA1358/2SC3421クラスなので、各々の
 Ib(ベース電流)、Ic(コレクタ電流)の想定値からIV抵抗を、46.2KΩ、102.4Ω(実測)としました。
 前者のTrが計測時の電流値が小さいので精度的に不利です。
 分解能単独の誤差はIb計測で0.7%、Ic計測で1.6%もあります。
 よって、用途の精度があまり必要ではないのを幸いに「簡易計測ツール」とすべきのようです。

 分解能や総合精度を上げるためには、より分解能の高いA/Dコンバータの組み合わせ、基準電圧
 ICでリファレンス、場合によりOPアンプによる増幅、電源ノイズの除去などやるべきことが多そうだ。

 ともあれ、完成した姿がこれです。タカチの小型安価ケースYM-100にジャストフィットしてます。
 hFE_Tool2
 NPNとPNPはスイッチで電源の極性を切り替えます。
 この極性を計測位置の電圧差でPICが検知し、ソフトウエアで計算式と表示を切り替えています。
 電源LEDはPICで点滅させています。PIC得意の機能です。
 計測表示インタバルは約1秒です。計測分解能の変動範囲でhFE計算値が動いています。

 試作基板をそのまま使ったので内部はかなりグチャグチャ状態してますが構成はシンプルです。
 こんな簡単な構成なので、小型コンパクトに作れました。
 hFE_Tool3 hFE_Tool4

 詳細は省略しますがソフトウエア・リストです。mikroCのフリーウエア版で作ってます。
 このソフトはコンパイル後のHexサイズが2Kバイトまでフリーです。
 hFE_Tool5

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FETによるHPAはなかなか素晴らしい音がする。
この性能は、ぺるけさんのディスクリートHPA設計の良さが主体であろうが、澄んだ音質は私の
好みである。 (非常にクリアな音でハッとします)

「オールFETによる携帯型HPA」に関心がある。 どんな音なのかな?
2SK170はほどほどに持っているが、ペアとなる2SJ74は生産中止のレア品になりつつあるとの事。
急いで収集しなくては! ・・・・ 

やはりPチャンネルの選別器は必須だな。
こんどこそ「自力」で設計からやってみようか。 PICも使えるし。 精度確保もリベンジだなあ。



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